体幹を鍛えることによって得られる効果【前編】

ATHLETE PHYSIO TRAINING WESTERN

こんにちは、ヒデです。

学生の頃は、体幹トレーニングと聞いたら、

・あたり負けないためのトレーニング
・体の軸を作るためのトレーニング
・ブレないためのトレーニング

と思っていました。

また、スポーツトレーナーになりたての頃は、

・背骨の柔軟性を高めるトレーニング
・腹圧を高めるトレーニング

と抽象的だったものをもう少し細かく具体的に捉えられるようになってきました。

今ではスポーツ選手との実践や一流のトレーナーの方から学ぶ機会もあり、さらに突っ込んだ考えを持てるようになりました。

そして、先日に以下のツイートをしました。


この5つが主に今僕が考えている体幹トレーニングをするための理由とも言えるものです。
今回の記事ではこのツイートの内容をより深く解説したので、ぜひ読んでみてください。

目次

    (前編 1−3)

  • 1 骨盤の安定性を高められる
  • 2 四肢からの力の伝達を促進できる
  • 3 四肢への負担を減らせる

  • 前編のまとめ

今回は専門的な話で特定の筋名が出てきたりするのでとてもわかりにくいですが、なるべくスポーツ選手でもわかりやすいように説明していきます。(後編では4−5を解説します。)

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1 骨盤の安定性を高める

再教育が必要な筋肉

体幹トレーニングが選手間やスポーツトレーナー間で広まった理由は、『当たり負けない、体の軸を作る、ブレない』などの目的を求めた結果であると考えられます。

では、実際にこのような目的を達成するためには、どのようなことに意識をしてトレーニングをすればいいのかがとても大切になってきます。ここで重要なことは、骨盤の安定性を高めることであり、そのためには腹横筋と腰部多裂筋(以下、多裂筋)という筋肉の再教育が必要になります。

なぜ再教育かというと、プロのスポーツ選手を見ていても、この二つの筋肉を正しく使えている人はほとんどいないからです。体を触ったことがないので憶測になりますが、国ごとのトップの選手であれば動画などを見ている限り、この二つの筋肉を正しく使えています。

この2つの筋肉の正しい使い方

腹横筋と多裂筋は体の中心に近い場所に位置し、インナー筋としても区別されています。インナー筋は主に関節のつなぎ目を安定させる働きがあります。腹横筋に関しては骨盤全体を包むように位置し、多裂筋は仙骨の後面に位置しているため、そのあたりの安定性に関与していることが容易に想像できると思います。

腹横筋

まず初めに腹横筋の使い方について話していきます。
体幹トレーニングでよく議論されるのが腹横筋による腹圧を高めるためには

・お腹を凹ますべきなのか
・膨らますべきなのか

ということです。

僕の考えとしては、現時点では膨らませる能力は必要です。これは非常に簡単で、風船を思い浮かべてもらい、その風船を真横から押した状態と上下から押した状態とで、どのように風船が安定しやすいかを想像してみてください。

風船を真横から押した状態では上下方向の安定性は高まりますが、左右方向の安定性は下がります。また、風船を上下から押した状態ではその逆が起こります。

スポーツ動作で多い横方向からの衝撃に耐えるためには、風船で例えると上下から押した状態で、腹部を膨らませることで横方向への衝撃に強くなります。さらに腹部が膨らむことでよく言われるヘソの下の丹田あたりに重心が下がり、体がより安定していきます。

この腹横筋をトレーニングするには主にお腹全体に空気を入れるように膨らませていきます。そして、膨らませた状態をキープして呼吸をしたり動作をしたりする練習をします。

また、これが難しい場合は、まだ基本的なシックスパックと呼ばれる腹直筋以外の腹筋群3つ筋力が足りていないことが考えられます。そのため、プランクなどの体幹トレーニングよりも先にシットアップなどの基本的な腹筋運動からやることをお勧めします。

ここからは最近思うことで自分の経験からと憶測でしかないのですが、興味がある人は読んでみてください。

実は逆に凹ませた方がいい場合もあると思っています。それはジャンプする時の脚が離れる瞬間のような縦方向に力を伝えるときや逆立ちをしたときなどの場合です。

ジャンプする時の足が離れる瞬間は、重心が低い位置よりも高い位置にあったほうが結果的により高いジャンプをすることが可能です。スクワット時にお腹を膨らませながら腹圧をかけれる人であれば、実際にその場でスクワット姿勢から飛んでみてください。

足が離れる瞬間から自然とお腹は凹んできます。逆にお腹を膨らませた状態をキープしながらジャンプすると、ジャンプしずらい感じがあると思います。これは体の原理で重心を高く胸郭のあたりに移動するためにお腹が凹んでいきます。この時はどっちかというと腹圧が抜けない状態でお腹が凹んでいると言えると思います。

逆立ちの場合も原理は一緒で重心が体の上、つなり胸郭の方にあれば安定しやすくなります。実際に逆立ちをしている人を見てみると、ほぼ全員が腹部よりも胸郭の方が幅広いように見えます。人は基本的に二本足で立ってスポーツをするので、スポーツ動作のなかで重心を高めたい場合にはお腹を凹ます方向に動かした方がいい時もあるということです。

このことに関しては、今後とも研究していきますので、また新しい考えがあればブログに書いていきます。

多裂筋

次に多裂筋の使い方についてです。

多裂筋という筋肉の中でも非常に小さいです。多裂筋をうまく使えない人はトレーニング最中に多裂筋の収縮を感じることができません。また、脊柱起立筋がすぐに張ってきたり、腰痛を持っている人は必ずと言っていいほど多裂筋は使えていません。

逆に言えば、多裂筋を使えるようになると多裂筋の収縮を感じることができます。あまりこの筋肉に意識をしたことがない人がほとんどだと思いますが、多裂筋が使えていると黒人のようにお尻がプリッとなり、骨盤が立つようになります。

また、スポーツパフォーマンスで重要な腸腰筋や大臀筋、そして内転筋なども同時に使われやすくなるため、必然とパフォーマンスも上がっていきます。ただ多裂筋を使えるようにするには筋に対する意識がとても大切です。

そしてこの多裂筋は、腹横筋の下部がしっかりと働いてくると同時に働きやすくなるため、まずは腹横筋の下部がどんな動作でも抜けないようにすることがとても重要になってきます。

骨盤を安定させるために必要な筋肉は腹横筋と多裂筋、以外にもあります。
ここでは、その筋肉の名前だけお伝えします。

・骨盤底筋群
・腸腰筋
・中臀筋
・大臀筋
・外旋六筋
・内転筋群

2 四肢からの力の伝達を促進できる

体幹は力の伝達の通り道

体幹は体の軸をぶらさないためにとても大切な要素ですが、それと同じくらい大切なのが足から手、手から足への力の伝達を効率よくすることです。この力の伝達には何十通りもあることが予測されますが、ここではわかりやすく大きく以下の6つに分けています。

・前面での力の伝達
・後面での力の伝達
・外側面での力の伝達
・内側面での力の伝達
・前面でクロスする力の伝達
・後面でクロスする力の伝達

この伝達は筋膜や経絡、キネマティックチェーンなどで説明することで非常に可視化しやすくわかりやすくなります。しかし、先ほどお伝えしたように、筋の伝達にはこの6つが組み合わさった何十通りもの通り道があるため、実際の人間の動きではとても複雑になってきます。

ここで一番お伝えしたいことは、足から手、手から足への力の伝達が起きた時に必ず体幹を通過するため、この体幹がうまく機能しないと力を途切れさせてしまうことです。その結果、足からの力が手までうまく伝達できず、足と手が分離した動きで動作を行ってしまいます。そして、最終的にパフォーマンスを低下させます。

この体幹機能というのは一番初めにお話しした骨盤の安定性プラス、胴体と上肢・胴体と下肢をつなぐ役割のある筋肉が力の伝達のタイミングと同調して働ける能力になります。
特にここで重要になってくる筋肉の名前を挙げていきます。

上肢の筋肉
・前鋸筋
・広背筋
・下後挙筋
・回旋筋腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)
・横隔膜
下肢の筋肉
・恥骨筋
・腸骨筋
・中臀筋
・大臀筋

これらの筋肉が主に、四肢から体幹に力を効率よく伝えるためにうまく機能していないといけない筋肉になります。

この筋肉が具体的にどのように働いてくるのかは後ほど説明していきます。

ここでのポイントととして力の伝達を高めるためには、骨盤がしっかりと安定できている状態をキープしながら四肢を動かしていくトレーニングをします。これはより高い負荷でどうな動きでもできるようになることで、いわゆる体幹が強い人になることができます。

3 四肢への負担を減らせる


体幹を鍛えるもう一つの理由は、四肢への負担を減らすためです。これは上記で説明したことと原理は一緒なのですが、少し違った視点もあるので書いていきます。

体幹の機能を高めることで、2関節筋が緩まる。

2関節筋とは主に大きな力を使う時に必要な筋肉で、股関節であれば

・ハムストリングス
・大腿直筋
・大腿筋膜張筋

が挙げられます。

ただこの2関節筋は使いすぎてしますと腱鞘炎や肉離れになる可能性が大きい筋肉です。そのため、なるべく負担を減らすために、上記で挙げた
下肢の筋肉

・恥骨筋
・腸骨筋
・中臀筋
・大臀筋

がしっかりと機能することが必要になってきます。

そして、これらの筋をしっかりと機能させるためには体幹の機能がなければなりません。
体幹の機能がなければ、骨盤が安定しないがために股関節の安定性も崩れ、2関節筋が優位に使われることになります。

結果的に怪我のリスクを高めてしまいます。

体幹機能を高めることで、末端が細くなる。

日本人の足を見ると他の国の選手と比べて、ふくらはぎが太い傾向にあります。これは様々な要素がありますが、その一つとして、足首をよく使って走っているからです。これはどういうことかというと、ジャンプするときや走る時に、ジャンプ能力が低い人や足が遅い人は地面をつま先で蹴る意識が強く、ふくらはぎの力で地面を押そうとします。(足首が底屈する)。

しかし本来、地面を蹴るときにはつま先で蹴るという意識よりも足首を固めてつま先を上げた位置で押す意識の方が、ふくらはぎの力で押すことなく、体幹やお尻の筋肉(大臀筋)などで地面を押すことができます。

この方が地面に伝わる力は大きく、よりパワーやスピードのある動きができます。そして、末端のふくらはぎはそこまで動作時に必要とされず細くなっていきます。この結果、末端が軽くなることでより素早く下肢を動かすこともできるようになります。

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まとめ

今回は体幹を鍛える理由の1ー3までの解説してきました。何度も言いますが、体幹を正しく使えているアスリートは一流のトップ選手でない限り、残念ながら使えていません。逆に言えば、一流のトップ選手になるためには必要不可欠な能力であるので、しっかりと正しい体幹トレーニングを積み重ねていって欲しいと思っています。

筋トレすることは体を重くすることのように考えている選手も中にはいますが、それははっきり言って違います。もちろん間違った方法でトレーニングをすれば、ただスポーツに使えない筋肉だけがつき、見た目だけがいい選手になってしまいます。

なので選手一人一人が意識を高め、自分にあったスポーツトレーナーと一緒に今の自分の課題に取り組んでいってください。この記事を読んで、少しでも体のことが理解してトレーニングに生かしてくれたら嬉しいです。

この記事は前編になるので、後編もぜひ読んでみてください。