体幹を鍛えることによって得られる効果【後編】

ATHLETE PHYSIO TRAINING WESTERN

こんにちは、ヒデです。
前回は体幹を鍛えることによって得られる効果【前編】を書かせてもらいました。
まだみていない方は、こちらをご覧ください。
» 体幹を鍛えることによって得られる効果【前編】

今回は前回1−3の続きで、先日ツイートしたこのツイートの中の【4背骨の柔軟性を高められる、5横隔膜の動きをよくできる】について書いていきます。

目次

  • 4背骨の柔軟性を高められる
  • 5横隔膜の動きをよくできる
  • 後編のまとめ

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4 背骨の柔軟性を高められる

今までは体幹を安定させることを中心に書いてきましたが、背骨の柔軟性を高めるための重要性やそのためのトレーニング、そして骨盤の安定性と胸椎の柔軟の関係性について書いていきます。

背骨の柔軟性を高める体幹トレーニング

背骨の柔軟性が体を動かす上で重要であることは、日野武道研究所の日野晃先生や『胴体力』で有名な伊藤昇先生、そして『ゆる体操』開発者の高岡英夫先生などがホームページやいろいろな書籍で伝えています。

この先生方に共通しているトレーニングの目的は、背骨を一つ一つ意識し、背骨を手と足のように動かせるようすることであると僕は解釈しています。

具体的なトレーニングとして簡単なものであれば、体幹トレーニングの中で『シットアップ』や『キャット&カウ』があります。このトレーニングはただ無意識で行うのではなく、一つ一つ背骨を意識して行うことでより効果的にトレーニングすることができます。

例えばシットアップの場合、上体を下ろすとき腰から首までの背骨が地面に一個一個触れていく意識をしながら行っていきます。キャット&カウでも同じように、骨盤から腰、胸、首の背骨を順番に丸めていく、そして反っていくという動作でトレーニングすることもできます。

これらの体幹トレーニングにより一つ一つの背骨に対しての意識が高まっていき、背骨の柔軟性も向上していきます。高岡先生の言葉を借りると、体を意識的に操作することを『身体操作』とも言われていますが、このパフォーマンスに関わる能力も背骨の柔軟性の向上により、さらに高まっていきます。

柔軟性を高めるためにも安定が必要

体幹トレーニングといっても前編で書いたような腹圧を高めて体幹を固める能力と上記で書いた背骨を自由に使える体幹をゆるめる能力の両方が身体やパフォーマンスにとって重要になってきます。

スポーツでよく言われる ”当たり負けしない” というのはこの『剛』の要素であり、武道などでよく使われる “いなす” といのがこの『柔』の要素と解釈してもらったらわかりやすいかと思います。この2つの能力を使いこなせることは、コンタクトスポーツにおいて相手に勝てるようになりますし、コンタクトスポーツでなくても自分の思い通りの動作を行うことができ、良い結果につなげることができます。

固める能力は主に骨盤から腰椎にかけて、そしてゆるめる能力は胸椎に対して必要な要素になります。これは運動学的な観点から屈曲以外の動きで胸椎は腰椎より可動域が大きいことからも考えられます。また、以下の図のように関節は交互にスタビリティとモビリティの特性で構成されていて、骨盤、腰椎と胸椎の関係性にも当てはまります。

このスタビリティとモビリティの関係性は相互にポジティブにもネガティブにも影響し合います。腰椎・骨盤のスタビリティが低ければ、胸椎の可動性は低下しやすいですし、腰椎・骨盤のスタビリティが高ければ、胸椎の柔軟性は向上しやすくなります。

これは、長時間のパソコン作業などで胸椎の柔軟性が低くなった場合に腰椎・骨盤のスタビリティが低下するという逆のことも起こります。膝関節と股関節や他の関節間でも同じことが言えます。つまり、柔軟性を高めたければ、隣り合う関節の安定性を同時にトレーニングすることでより効果的に鍛えることができます。

5 横隔膜の動きをよくできる

体幹トレーニングをすることで横隔膜の動きをよくすることができます。

肋骨と横隔膜の関係

実は肋骨と横隔膜は重要な関係性があり、肋骨の位置によっては横隔膜の動きを減少させることがあります。これは横隔膜が7〜12番目の肋骨に付着し、この肋骨の位置が変わることで横隔膜の形も変わるからです。

横隔膜とは、上の図のように肋骨の下側でドーム状になった形状をしています。このドームの高さが高ければ高いほど、横隔膜の上下の動きが大きくなります。

このドームの高さは肋骨下角の開きに依存しており、通常であれば70〜80°ですが、それ以上の角度で開いている場合はドームの高さは低くなり横隔膜の動きが低下します。

横隔膜の動きが低下するということは、つまり呼吸が浅くなるということです。また、横隔膜の下に位置する胃や肝臓などの臓器の動きも低下させることになり、さまざまな体の不調も起こすリスクが高まります。

内外腹斜筋、胸椎が呼吸に及ぼす影響

この肋骨下角の開きが大きくなる原因の一つとして、内外腹斜筋の機能が低下していることが考えられます。

これは内外腹斜筋が5〜12肋骨に付着しており、この筋肉がうまく収縮できていないと腹部の緊張が低下してしまい、肋骨下角が開いてきてしまうためです。

そのため、捻りを入れた体幹トレーニングでこの2つの筋肉を活性化させることで、肋骨下角が閉じる方向に働き横隔膜の動きを高めてくれます。

もう一つの問題として胸椎(特に7〜12番)の柔軟性が下がってしまうと7〜12番の肋骨の柔軟性も下がるため、これも横隔膜の動きを低下させます。

これは上記で説明したので、理解できるかと思います。

そのため、『4 背骨の柔軟性を高められる』で説明したトレーニングも横隔膜、そして呼吸の機能を向上させるためにとても役に立ちます。

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後編のまとめ

  • 体幹トレーニングによって背骨の柔軟性を高めることができる。
  • 柔軟性を高めるためにも隣り合う関節の安定性が必要である。
  • 肋骨が硬くなると横隔膜の動きも硬くなる。
  • 内外腹斜筋の活性化と胸椎の柔軟性の向上は肋骨を柔軟に保つことができる。

体幹トレーニングといってもいろいろなやり方があります。どの体幹トレーニングをすればいいかということは問題でなく、体幹トレーニングをどのように意識してやるかがとても重要です。

その理由は、今回描かせてもらった前編の1〜3、後編の4〜5を読んで頂ければ理解してくれると思います。

以上で、体幹を鍛えることによって得られる効果【後編】を終わりにします。ぜひ、体幹を鍛えることによって得られる効果【前編】と共に読んで、これからのトレーニングに活かしてみてください。

スポーツトレーナーの方に少し違った視点を与えられることやスポーツ選手のパフォーマンスの向上に少しでも貢献できれば、嬉しいです。