【研究レビュー 7】レジスタンストレーニングと電気刺激の研究1

LITERATURE PHYSIO

こんにちは、ヒデです。

今回は、レジスタンストレーニングと電気刺激の関係について論文を用いて、見ていきたいと思います。

目次

  • 電気刺激による効果の実際
  • 電気刺激と自発的収縮
  • 電気刺激を併用した場合と併用しない場合の筋力トレーニングが筋力と嫌気性パフォーマンスに及ぼす短期的な影響の研究 (無作為化比較試験、 パートI)
  • 電気刺激を併用した場合と併用しない場合の筋力トレーニングが筋力と嫌気性パフォーマンスに及ぼす短期的な影響の研究 (無作為化比較試験、 パートII)
  • 垂直ジャンプパフォーマンスに対する2種類の神経筋電気刺激トレーニングの効果の研究
  • まとめ

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電気刺激による効果の実際


筋力の増加を促進するための電気刺激の使用は、長年使用されてきた方法論です。目的は、自発的な筋活動の寄与の有無にかかわらず、外部で誘発された電位を使用して筋収縮を誘発することです。

Bax, Staes and Verhagen(2005)らは、電気刺激が大腿四頭筋の筋力を増加させるかどうかを疑問に思い研究しました。この研究の方法論の質があまり良くはありませんでしたが、この研究結果は何も筋活動(エクササイズ)をしなかった時と比べ、怪我の者と健常者の大腿四頭筋が電気刺激によって改善すると結論付けています。しかし、この研究者らは自発的なエクササイズが多くの状況でより効果的であると想定しています。

実際、電気刺激は目的が回復するためで整形外科用装具がある状況や、何らかの理由で随意収縮が制限され、電気刺激によって収縮を促せる特定の状況で、自発的なエクササイズよりも望ましいとされています。これ以外の場合には、電気的収縮は自発的収縮の代わりになることはないと考えられます。

電気刺激と自発的収縮


電気刺激の研究の注目の1つは、筋の自発的収縮との同時使用です。 Paillard, Noé, Passelergue, and Dupui(2005)らは、自発的な収縮と同時に、最初に大きなモーターユニットを刺激する自発的収縮とは異なる経路での刺激を与えられる電気刺激を加えることで、自発的収縮だけの場合よりも多くのモーターユニットを導入することができ、その結果、収縮力が大きくなるという考えがあります。

この著者らは、さまざまな研究の結果から健康な被験者のトレーニングに電気刺激を使用しても電気刺激を使用していないトレーニングと比較してもトレーニング効果が変わらないため勧めることができないことを説明しています。

反対に、上記で述べたように、治療的処置における使用は確かに有益であると考えられます。この効果は、特に術後の回復過程や筋萎縮を引き起こした損傷例にあるとされています。これらの例では、電気刺激と自発的収縮を同時に行ったときによりプラスの効果があることが明らかになっています。

上記のレビューの3年後のPaillard(2008)らによるレビューは、電気刺激を使った自発的収縮のエクササイズの介入や自発的収縮のエクササイズのみの介入、そして電気刺激のみの介入がもたらす影響に焦点を当てています。

健康な被験者と手術を受けた被験者の両方で、これらの研究の分析をしました。著者は、一般に、電気刺激と自発的収縮の運動の組み合わせにより、スポーツとリハビリの両方で筋収縮の改善が他の介入よりもよりあることを確認しました。

これは、電気刺激と自発的収縮のエクササイズの両方の効果の蓄積が可能であることが示唆されます。したがって、この電気刺激のアプローチは、自発的収縮の運動とともに導入する必要があります。

そして、前述のように、治療目的での使用は筋収縮の回復を加速することができます。ただし、電気刺激は異なる作動筋と拮抗筋間の協調を改善することはできず、複雑な動きの特定の協調の学習を促進しません。

電気刺激を併用した場合と併用しない場合の筋力トレーニングが筋力と嫌気性パフォーマンスに及ぼす短期的な影響の研究 (無作為化比較試験、 パートI)

【目的】
筋力増加と嫌気性パワーに対する電気刺激の有無による筋力トレーニングの効果の比較のため。
【方法】
24人のスポーツ科学の学生のサンプルを使用し、学生は筋力トレーニングと電気刺激を使用したグループ、筋力トレーニングのみのグループ、コントロールグループの3つに分けられた。 2つのトレーニンググループは、週4回の膝伸展運動(エクステンションマシンの使用)を4週間実行し、各セッションで1RM70%の負荷量で8回8セットを実行した。電気刺激を使うグループは、コンセントリック収縮時に電気刺激を受けた。この研究では、トレーニング期間の終了の2週間後に最大筋力、スクワットジャンプ、カウンターモーメントジャンプ、腕を使ったカウンターモーメントジャンプ、20mスプリントの評価をした。
【結果】
2つトレーニンググループで筋力増加の結果がみられましたが、2週間トレーニングをしなかった介入後の効果と筋力増強の両方で、電気刺激を組み合わせたトレーニンググループでより高かい結果になった。
【結論】
嫌気性パワーの改善には電気刺激とプライオメトリックのようなトレーニングを実行する必要がある。

電気刺激を併用した場合と併用しない場合の筋力トレーニングが筋力と嫌気性パフォーマンスに及ぼす短期的な影響の研究 (無作為化比較試験、 パートII)

【目的】
筋力増加と嫌気性パワーに対する電気刺激の有無による筋力トレーニングとプライオメトリックトレーニングの組み合わせの効果の比較のため。
【方法】
29人のスポーツ科学の学生を用いて、週に二回のプライオメトリックトレーニングと週二回の筋力トレーニングを4週間続けた(検査法は前述の同様)。
【結果】
両方のグループで筋力の増加につながったが、これはトレーニングを電気刺激と組み合わせたグループでより高かくなった。垂直ジャンプはどのグループでも変化はなく、介入が終了してから2週間後に行われたテストでは、すべてのグループでスプリントが改善された。しかし、腕を使ったカウンターモーメントジャンプでは電気刺激を併用したグループではトレーニング直後と2週間後に行われたテストでは低かった。
【結論】
もし少ない頻度でのトレーニングを実行する場合は、電気刺激を使用することで、自発的収縮のみのトレーニングよりも筋力向上の改善が期待される。しかし、プライオメトリックがトレーニングの重要な目的である場合、電気刺激をプライオメトリックと併用する代わりに等尺性収縮に適応する必要がある。

爆発的アクションに関連して、初めの方に紹介したPaillardらによるレビュー (2005) からは、さまざまな研究が、特にジャンプのようなこれらのスキルの電気刺激から得られる潜在的な利点を示唆しておらず、自発的収縮のエクササイズと比較しても筋肥大の効果を得ないことや協調性の向上の効果がないことを説明しています。

そのため、これらのことを踏まえてもリハビリ時の筋力の回復やトレーニングによる筋力の向上目的であれば電気刺激の併用は効果的だと考えられますが、スポーツ動作のパフォーマンスの向上のために電気刺激を使用することはあまりお勧めできないことを示しことができます。

垂直ジャンプパフォーマンスに対する2種類の神経筋電気刺激トレーニングの効果の研究

【目的】
さまざまなタイプの電気刺激がジャンプのパフォーマンスにどのように影響を与えるかを記録するため。
【方法】
27人の訓練されたスポーツ科学の学生のサンプルを使用し、3つのグループにランダムに分けられた(C, F, Eグループ)。週に3回5週間の大腿四頭筋のエクササイズを行いました(Fグループは、筋力を改善する目的で80Hzの電流を15分間、Eグループは筋持久力の改善のために25Hzの電流を60分間刺激した。)。垂直ジャンプの測定をトレーニング期間前(テスト1)とトレーニング期間の1週間後(テスト2)、そしてトレーニング期間の5週間後(テスト3)に測定した。
【結果】
垂直ジャンプの高さが、FグループとEグループの両方でテスト1と2を比較して大幅に増加したことを示した(それぞれ5cmと3cm)。テスト3ではテスト2と同じ結果で、パフォーマンスを維持されていることを示した。
【結論】
筋持久力の向上ための電気刺激のプログラムの使用は、垂直ジャンプのパフォーマンスに悪影響を与えないことを示した。したがって、筋力を低下させることなく筋持久力の改善のために電気刺激を使用することができる。

この研究から、筋に対する負荷のため電気刺激併用してトレーニングするときに爆発的な動作に悪影響を与えないことを考慮することができます。

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まとめ

  • リハビリなどで筋の自発的収縮を促すために電気刺激を使用することは効果があるとされているが、それ以外の状況では電気刺激のみの使用はあまり意味がないとされている。
  • 電気刺激と自発的収縮を同時に行った方が、リハビリにおいてより良い効果が期待できる。
  • 電気刺激は協調的な動作に対しての効果はないとされている。
  • 電気刺激を併用したトレーニングの方が、電気刺激を併用しないトレーニングと比べて筋力増強の効果があるとされる研究もあるが、基本的にはトレーニング頻度が少ない人には効果的であるとされている。
  • スポーツ動作のパフォーマンスの向上のために電気刺激を使用することはあまり効果が期待できない。
  • 電気刺激併用してトレーニングするときに爆発的な動作に悪影響を与えない。

以上のことから、電気刺激は自発性収縮とともに使用することがより効果を高めますが、協調性やパフォーマンスの向上には効果が期待されないことから、リハビリや怪我をした選手で筋収縮の能力が落ちている場合などに使用することがいいことがわかります。

他の研究も見ていき、もう少し電気刺激の効果について明確にしていく必要もあるかなと思います。

引用文献

Bax, L., Staes, F. and Verhagen, A. (2005). Does neuromuscular electrical stimulation strengthen the quadriceps temoris? A systematic review of randomized controlled trials. Sports Med; US(5),191-212.Paillard, T., Noé, F., Passelergue, P. and Dupui P. (2005). Electrical stimulation superimposed onto voluntary muscular contraction. Sports Med; SS(11), 951- 966.

Paillard, T. (2008). Combined application of neuromuscular electrical stimulation and voluntary muscular contractions. Sports Med; 58(2), 161-177.

Herrero, A.3., Martfn, 3., Martfn, T., Abadfa, 0., Fernandez, B. and Garcfa-Lépez, D. (2010). Short-term effect of strength training with and without superimposed electrical stimulation on muscle strength and anaerobic performance. A randomized controlled trial. Part I. Strength Cond Res. 24(6), 1609-1615.

Paillard, T., Noe, F., Bernard, N., Dupui, P. and Hazard, C. (2008). Effects of two types of neuromuscular electrical stimulation training on vertical jump performance. J Strength Cond Res. 22(4), 1273-1278.