【研究レビュー 8】レジスタンストレーニングと電気刺激の研究2

LITERATURE PHYSIO

こんにちは、ヒデです。

今回は、前回の『レジスタンストレーニングと電気刺激の研究1』で明らかになったことを踏まえて、さらにいくつかの論文を用いて、レジスタンストレーニングと電気刺激の効果について見ていきたいと思います。

目次

  1. 電気筋刺激トレーニングとバスケットボール練習が筋力とジャンプ能力に及ぼす影響の研究
  2. 垂直ジャンプ高さに及ぼす電気刺激とプライオメトリックトレーニングの組み合わせの影響の研究
  3. スイミングパフォーマンスにおける屋内のトレーニング vs 電気刺激によるトレーニングの研究
  4. 関節の可動域と筋力に対する静的ストレッチと電気刺激の複合効果の研究
  5. 健康な個人やアスリートのパフォーマンスを向上させるための電気刺激の使用に関するレビュー
  6. まとめ

1電気筋刺激トレーニングとバスケットボール練習が筋力とジャンプ能力に及ぼす影響の研究

【目的】
膝伸展筋の筋力と10人のバスケットボール選手の垂直ジャンプのパフォーマンスに対する電気刺激のプラス効果を調査すること。
【方法】
電気刺激のセッションを週3回、各セッションで48回の収縮で構成された。テストはこのプログラム開始前と4週後、そして8週後でされた。
【結果】
4週目のテストでは、等速性での遠心性および求心性収縮の筋力が大幅に増加した。また、スクワットジャンプは14%の増加が見られたが、カウンターモーメントジャンプでは変化が見られなかった。8週目には等速性および等尺性の筋力、そしてスクワットジャンプ、カウンターモーメントジャンプ(17%)の改善が見られた。
【結論】
電気刺激でバスケットボール選手の筋力と垂直のジャンプ力の改善を観察した。

ジャンプのパフォーマンスに対する電気刺激のプラス効果として著者らは、この現象が電気刺激による慢性効果として電気刺激を使用したトレーニング後の筋内の運動単位がより多く採用される結果であると考えています。

しかし、これは比較研究ではないため電気刺激による効果であるかどうかはいきれないことも考慮する必要があります。

2垂直ジャンプ高さに及ぼす電気刺激とプライオメトリックトレーニングの組み合わせの影響の研究

Maffiuletti、Dugnani、Folz、Di Pierno、およびMauro、(2002) らはバレーボール選手でも効果的な結果を研究で確認しました。

そして、電気刺激による筋力トレーニングとプライオメトリックトレーニングが2週間の期間で膝伸筋と足関節の足底屈筋の最大筋力を相対的に急速に改善できることを記録しました。

この研究の結論として、電気刺激を使用した筋力トレーニングは垂直のジャンプ能力の向上を目的とした場合、プライオメトリックのトレーニングの補完として有益な効果を得られるとしています。

しかし、これも比較研究ではないため電気刺激による効果であるかどうかが見えないことも考慮する必要があります。

3スイミングパフォーマンスにおける屋内のトレーニング vs 電気刺激によるトレーニングの研究

【目的】
屋内のトレーニングと電気刺激によるトレーニング効果を比較するため。
【方法】
代表レベルの水泳選手24名を無作為に3つのグループに分け、トレーニンググループとコントロールグループの両方で、50mのクロールでのストローク速度と振幅によるパフォーマンスとともに等速性ダイナモメーターによる腕の伸展動作に使う筋の発達の量を評価した。
【結果】
パフォーマンスの点で両者に有意差はないが、両方のトレーニンググループの改善を観察した。さらに、トレーニンググループはコントロールグループよりも優れた結果をしました。
【結論】
水泳のトレーニングと屋内のストレングスまたは電気刺激プログラムを組み合わせたプログラムは、水泳のみの場合よりもパフォーマンスの向上に効果的だった。

他にこの著者らは発生した疲労に対して予防的な目的として、激しいトレーニングの期間における電気刺激の使用を推奨しています。そのため電気刺激により疲労の緩和効果があることも研究結果から予想されています。

4関節の可動域と筋力に対する静的ストレッチと電気刺激の複合効果の研究

【目的】
電気刺激が足首の可動域の増加に及ぼす影響を観察するための研究を行った。
【方法】
31人の大学生をコントロールグループ、スタティックストレッチと電気刺激グループ、ストレッチだけのグループの3つのグループに分け、内側腓腹筋を測定した。
【結果】
8週間の研究の後、可動域と筋の厚さの両方に関して、大きな改善が両方のトレーニンググループで観察された。しかし、2つのグループ間に違いはなかった。
【結論】
関節可動域を得るために静的ストレッチのために使用した電気刺激の有効性がないことを示した。

5健康な個人やアスリートのパフォーマンスを向上させるための電気刺激の使用に関するレビュー

Gondin、Cozzone、Bendahan(2011)らは、健康な個人やアスリートのパフォーマンスを向上させるための電気刺激の使用に関するレビューを行いました。

この研究を要約するために、次の点を紹介します。

等尺性最大随意筋力の大幅な改善につながる効率的な方法として認められます。
電気刺激がスポーツスキルと爆発的な動きに効果を出すには、自発的動作、つまりプライオメトリクスと組み合わせる場合にのみ可能です。
筋疲労に対する電気刺激の効果はまだ理解されておらず、さらなる研究が必要です。
・アスリート間での電気刺激の使用は、電気刺激を組み合わせたトレーニングが高強度でエクササイズする必要なく、より大きなモーターユニットの導入をトリガーするという事実によって勧められています。
・複雑なアクションでパフォーマンスを向上させるには、電気刺激を使用してではなく、そのスポーツ特有の長期的なトレーニング期間が必要です。この主張を裏付けるために、著者は特にNicola Maffiulettiによる研究にを参考にしています。(Maffiuletti et al., 2000; Maffiuletti et al., 2002).

そのためこのように等尺性動作での測定およびテストされたすべての研究で電気刺激の使用を勧められています。一方、電気刺激によるトレーニングでのパフォーマンス向上の有効性は疑問視されています。

スポンサードサーチ

まとめ

  • 等尺性最大随意筋力の大幅な改善につながる効率的な方法として認められている。
  • 電気刺激がスポーツのパフォーマンスに効果的であるという研究データもあるが、全ての研究を見たときにその有効性は疑問視されている。
  • 電気刺激により、疲労の予防効果があることを述べている研究データもあるが、実際には科学的根拠として証明されていない。
  • 関節可動域を得るために静的ストレッチのために使用した電気刺激の有効性はない。

以上より、前回の『レジスタンストレーニングと電気刺激の研究1』からわかるのと同じように、電気刺激によるパフォーマンスの向上はほとんどの研究で否定的に述べられています。

そのため現時点では、電気刺激の使用は、怪我そしてリハビリでの等尺性収縮の補助としてのみの使用が勧められることがわかります。

引用文献

Maffiuletti, N.A., Cometti, G., Amiridis, I.G., Martin, A., Pousson, M. and Chatard, 3.C. (2000). The effects of electromyostimutation training and basketball practice on muscle strength and jumping ability. Int J Sports Med. 2J(6), 457-443.Maffiuletti, N.A., Dugnani, S., Folz, M., Di Pierno, E. and Mauro, F. (2002). Effect of combined electrostimulation and plyometric training on vertical jump height. Med Sci Sports Exerc, 54 1658—1644.

Girold, S., 3alab, C., Bernard, 0., Carette, P., Kemoun, G. and Dugué, B. (2012). Dry-land strength training vs. electrical stimulation in sprint swimming performance. J Strength Cond Res. 2d(2), 497-505.

Mizuno, T. (2017). Combined effects of static stretching and electrical stimulation on joint range of motion and muscle strength. Strength Cond Res. Oct 10. doi: 10.1519/TSC.0000000000002260

Gondin, 3., Cozzone, P.3. and Bendahan, D. (2011). Is high-frequency neuromuscular electrical stimulation a suitable tool for muscle performance improvement in both healthy humans and athletes? Eur J Appl Physiol. JJJ(10), 2473—2487.