足関節の捻挫 -Syndesmosis Injury-

PHYSIO WESTERN

こんにちは、ヒデです。

今回は足関節捻挫でも完治するまでの期間が長いとされている Syndesmosis Injury (high ankle sprain) についてトレーナー向けに書いていきます。

目次

  • Syndesmosis Injury (high ankle sprain)とは?
  • Syndesmosis Injury (high ankle sprain)の症状と復帰まで
  • まとめ

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Syndesmosis Injury (high ankle sprain)とは?


Syndesmosisとは脛骨と腓骨の間にある結合組織のことで前脛腓靱帯、後脛腓靱帯、下腿骨間膜によって構成されています。Syndesmosis Injury (high ankle sprain)とは具体的にこれらの結合組織が損傷したことを言います。

Syndesmosisは足関節の安定性に非常に大事な役割があり、特に歩く時の足関節の安定性に関与します。

そして、約11-18%の捻挫の症例で発生すると言われ、特に外反と外がえしを伴った足関節捻挫が生じた時にこのSyndesmosisが損傷受けている場合があります。

また、別の報告では内反捻挫の40%の受傷者から足関節の前方の関節包の断裂によりSyndesmosisと似た痛みの訴えがあるとされています。

スポーツでは特にサッカーやアメフト、スキーなど発生することが多いとされています。

損傷の程度により、3つのグレードに分けられます。

●グレード1
前脛腓靱帯の伸長、もしくは部分断裂。関節の不安定性なし。

●グレード2
前脛腓靱帯の完全断裂と下腿骨間膜の部分断裂。足関節の不安定性あり。

●グレード3
前脛腓靱帯、後脛腓靱帯、下腿骨間膜の完全断裂と完全な不安定性あり。

 

合併症


Syndesmosis Injury (high ankle sprain)はくるぶしの骨折、もしくは内側の三角靱帯の損傷を合併していることがあります。また、Maisonneuve骨折(遠位脛腓靱帯および下腿骨間膜の損傷に腓骨近位部骨折を伴ったもの)が生じていることもあります。

Maisonneuve骨折では、下腿の腫脹が高度であることが多いですが、さほど下腿全体のの主張を認めないケースもあるので、下腿や膝周辺の診察も忘れないようにする必要があります。

Syndesmosis Injury (high ankle sprain)は競技復帰までに内反捻挫よりも長期的な痛みと時間が要することが知られています。

 

Syndesmosis Injury (high ankle sprain)の症状と復帰まで


Syndesmosisの症状として、足関節の激しい疼痛があります。立脚初期の足が地面につく時と立脚後期の足で地面を蹴る時に特に痛みが現れ、圧痛もあります。

また、背屈の最終可動域で痛みが生じることが多く、Syndesmosisの部位の圧痛の程度がSyndesmosis Injuryの回復具合と関連していることがあるとされています。

診断方法としては、触診や整形外科的テスト(Fibular Translation Test, Cotton Test)、MRIの画像診断があります。また、レントゲンで骨折の有無を判断することもされています。

治療過程としては、損傷程度によって分類されています。

●グレード1
1週間から3週間のギプス固定もしくは負荷免除のための松葉杖を使用します。その後、すぐに負荷を与えたリハビリをしていきます。

●グレード2a
不安定性の度合いによって変化しますが、基本的には3週間以上のギプス固定もしくは負荷免除のための松葉杖。MRIによってこの期間を判断されることもあります。その後、すぐに負荷を与えたリハビリをしていきます。

●グレード2b, グレード3
ボルト固定による手術をします。術後2週間はギプス固定で負荷を与えません。その後。負荷を与えたリハビリを徐々にしていきます。

必要なリハビリ

·スタビリティーエクササイズ
·可動域エクササイズ
·筋力トレーニング
·バランスエクササイズ
·復帰スポーツに特化したエクササイズ
·必要に応じて、サポーターやテーピングの使用

復帰までの期間

●グレード1·グレード2a
約6から8週間

●グレード2b
約8から10週間

●グレード3
約10から14週間

 

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まとめ


一般的な捻挫では、足部の外側を捻って痛める内反捻挫が多く生じます。しかし、たまにサッカーやアメフト、スキー、もしくは柔道などの競技に関わっていると普通の捻挫よりも痛みが激しく、歩行も難しい症例に出会うことがあります。

僕の個人的な経験では、柔道の選手に関わっていた時には何回かこのSyndesmosis Injury (high ankle sprain)を経験することができました。

普通の捻挫よりも復帰するまでの期間が長いため、受傷後にしっかりと鑑別をしてSyndesmosis Injury (high ankle sprain)の疑いがあるのであれば、レントゲンやMRIをとってしっかりと完治するまでに計画を立ててリハビリすることがとても重要になります。

あまり知られていない捻挫でもあるので、捻挫だからといってあまくみずトレーナーとしてしっかりとケアができるようにしていくことが大切だと思っています。

 

 

参考文献

Calder JD et al. Stable Versus Unstable Grade II High Ankle Sprains: A Prospective Study Predicting the Need for Surgical Stabilization and Time to Return to Sports. Arthroscopy 2016;32:634-642

McCollum GA et al. Syndesmosis and deltoid ligament injuries in the athlete. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 2013;21:1328-1337

Mulligan EP. Evaluation and management of ankle syndesmosis injuries. Phys Ther Sport 2011;12:57-69