【研究レビュー 2】等速性トレーニングと従来のトレーニングの比較2

LITERATURE PHYSIO

こんにちは、ヒデです。
オランダとベルギーで理学療法士として働いています。

この記事では、前回の『【研究レビュー 2】等速性トレーニングと従来のトレーニングの比較2』の続きで、英文の等速性トレーニングと等張性トレーニングの比較研究レビューを引用して、さらに細かく等速性トレーニングについてみていきたいと思います。

目次

  • 筋収縮の種類の違いによる等速性と等張性トレーニングの効果の比較
  • まとめ

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筋収縮の種類の違いによる等速性と等張性トレーニングの効果の比較


筋収縮の種類の違いによる等速性と等張性トレーニングの効果を比較した研究を6つ紹介します。

1.コンセントリックとエキセントリックを組み合わせた等速性収縮 VS エキセントリックのみの等張運動に対する症候的および機能的反応の比較研究

目的:
この2つのエクササイズ直後の痛みの程度、そして筋力と可動域の低下の変化を比較する。
方法:
24名の普段からエクササイズをしていない大学生を2つのグループ。等張性のエキセントリック収縮のエクササイズ(10回3セット, 140% 1RM)と等速性のコンセントリックとエキセントリックを組み合わせたエクササイズ(10回5セット)を実施。
結果:
等張性のエキセントリック収縮エクササイズを実施したグループでは、エクササイズから2日後と4日後に30%から36%の筋力低下、5%から7%の屈曲可動域の低下、6%から8%の伸展可動域の低下、そして遅発性筋肉痛がみられた。この筋肉痛には等速性エクササイズグループよりも筋繊維の炎症がより大きく示された。一方で、等速性エクササイズグループではエクササイズから2日後と4日後に筋力と可動域の変化は見られなかった。
結論:
エクセントリックだけでエクササイズを行った場合では、エクササイズ後に上記であげた機能障害(14日間継続した)が現れることを示した。

この研究では、普段からエクササイズをしていない大学生を対象に研究されていることを注意しておきたいです。

また、1RM以上の負荷量でトレーニングすることは、少なからず体にとってマイナス面が出てきてしまう恐れがあることを頭に入れておくことも大切だと思います。

2. 等張性と等速性のエクセントリックのエクササイズ中の筋構造と筋電図の活動の変化の比較

目的:
等張性と等速性のエクセントリックの大腿四頭筋の活動による筋構造と筋電図の活動の比較。
方法:
120%1RM等張性収縮と限界の回数まで行う等速性収縮のエクササイズ2セットを17名の実験者に実施。(エクササイズのセット間の休憩は5分)
結果:
この二つのエクササイズを比較した時、角度と角速度の関係は異なった結果を示した。筋構造の変化は両方のエクササイズで類似しており、外側広筋の繊維束の長さが増加し、エキセントリック収縮中に筋の厚さが減少した。主働筋の大腿四頭筋と拮抗筋の大腿二頭筋の両方は筋の長さが短い時に等張性収縮の方が等速性収縮よりも筋活動が高く、反対に主働筋の長さが引き伸ばされた時には、等速性収縮時の筋活動は等張性収縮よりも高くなった。この点について、両タイプのエクササイズの機械的負荷の違いは、特定の神経筋の反応を誘発させた。
結論:
等張性または等速性のエキセントリックトレーニング後に特定の神経適応が発生する可能性があることを示唆する。等張性エクササイズによるより高い筋電図活動は、エクセントリック動作中に生じるより高い角速度に関連していると推測される。

※以下3は、この研究の縦断的研究です。

3等負荷での等張性および等速性エキセントリックエクササイズによって誘発される神経筋の適応の比較研究

目的:
等負荷での等調性および等速性エキセントリックエクササイズによって誘発される神経筋の適応を比較。
方法:
彼らは31名の今まで怪我がない若い被験者のサンプルを使用し、前述の2つのエクササイズの1つまたは対照群にランダムに配置した。被験者は、膝の伸展筋のための20セッションの筋力トレーニングプログラムに参加し、それぞれ8回3〜5セットを実行した。彼らは、大腿四頭筋の筋力、外側広筋構造、筋電図活動、および拮抗筋の活動を評価した。
結果:
等速性ではなく等張性エクササイズで短い筋の長さでの高速のエクセントリック強度の改善、筋の厚さの改善、安静時の筋束の角度の改善を示した。筋電図の活動は、両方のエクササイズで同様に増加したが、拮抗筋であるハムストリングスの活性化はエクササイズによって変化しなかった。
結論:
大腿四頭筋の筋力および構造的な改善をするために、等張性エクササイズが等速性エクササイズよりも効果的であることを証明した。 著者らは、これらの結果を、速度変化のない等速性エクササイズと比較してエクセントリックの初期段階(短い筋の長さの状態)でトルクと角速度が大きくなることで強度と神経筋の適応が主な理由であると推測した。

Guilhem, Cornu and Guevel らのこの二つの研究から考えられることは、結論であるようにエクセントリック収縮のエクササイズにおいて等張性のタイプのトレーニングの方が速度変化が生じるため、それに対応するための筋活動の増強が求められます。

このことから、等張性トレーニングが筋力増強、筋肥大においてより効果的であると考えることができます。

4. 等速性および Dynamic Constant External Resistance におけるエクセントリック収縮の比較

目的:
一定の速度と一定の外部負荷を使用した片側でのエクセントリックのみのトレーニングの効果を比較すること
方法:
さまざまなスポーツのアマチュアアスリートとして認定され、研究の6か月前に特定の筋力トレーニングを実施していなかった49人の若い男性の学生を対象にした。これら2つのトレーニンググループとコントロールグループはランダムに配置された。 6週間のトレーニングプログラムは週2日間行われ、8回のエクセントリック収縮の反復を5セット、各セッションで実行された。
結果:
どちらのタイプのエクササイズでも、等尺性およびコンセントリック収縮のレベルで最大筋力が同様に増加し、筋束の長さと筋肉の厚さも増加させた。等速性エクササイズでは、等張性エクササイズよりもエクセントリックのピーク強度が大きく改善された。
結論:
著者らはトレーニングとリハビリの両方で両タイプのトレーニング法を推奨するが、そのコストを考えると、等速性エクササイズの機械は等張性よりもはるかに制限的であることを言及する。

この研究では、等速性エクササイズにおいてエクセントリックのピーク強度がより改善されてたことが確認されていますが、ジムの機械などを使用した等張性エクササイズでも代わりに使用できると結論づけています。

等尺性およびコンセントリック収縮のレベルでの最大筋力が同様に増加したことから、このようなことを言っているのだと思いますが、実際にスポーツ動作においてどのように影響が出ているのかという研究結果も欲しいと個人的には思います。

また、3の研究とは違う結果が出ていることも興味深いところです。

5. 同負荷のコンセントリックおよびエキセントリックの等速性運動に応じた筋肉の厚さおよびペネーション角度(羽状角)の急性な変化の研究

目的:
筋肉の厚さとぺネーション角度で発生する可能性のある急性適応の潜在的な違いを記録すること
方法:
トレーニングは12人名で行われ、彼らは2セットの最大膝伸展を毎秒120°の速度で行った。コンセントリックエクササイズが常に最初に行われ、その後、反対の足はエクセントリックエクササイズのために使用された。最初に評価する脚はランダムに選択された。
結果:
筋肉の厚さの遠位部と内側部の測定値と、ペネーション角度の内側部の測定値は、コンセントリックエクササイズ後のみ増加した。
結論:
著者らは、筋肉の厚さとぺネーション角度の両方の急性変化を達成するために、コンセントリックエクササイズがエキセントリックエクササイズよりも大きな刺激を引き起こすと結論付けた。

等速性運動においてのコンセントリックとエクセントリックの急性的な変化の比較で、エクセントリックの方が筋肉の厚さとぺネーション角度により変化をもたらしたことから、筋力増強にはエクセントリックのエクササイズを入れることも大切だと考えることもできます。

この測定はトレーニング直後の変化でもあるのでそこは注意が必要です。

6. 多関節等速性高負荷エキセントリックトレーニングは、エキセントリックおよびコンセントリックの筋力と跳躍パフォーマンスを大幅に向上するかどうかの研究

目的:
通常のようにオープンキネティックチェーンではなく、レッグプレスに対する高強度のエキセントリックな等速性エクササイズの効果を分析した。
方法:
研究前の6か月間に特定の筋力トレーニングを実施していなかった19名の大学生のサンプルを使用した。 8週間のプログラムは週2回で構成され、1セッションあたりの運動負荷は3〜6セット、5〜10回のエクセントリック収縮の反復であり、エキセントリック収縮の最大値70%〜90%の間での強度変化で構成した。
結果:
対照群と比較して、トレーニング群はジャンプ力の改善と接触時間の減少がみられた。 ジャンプ力の改善と同様に、コンセントリックとエキセントリックの収縮力の両方が改善された。 これらの大幅な改善は、わずか16セッション後に発生した。
結論:
このタイプの運動は、典型的なオープンチェーンの等速性エクササイズとは異なり、スポーツ動作に近い筋活動を引き起こし、その結果、ジャンプやスプリントなどの動作に転換できることも指摘している。

これは今までの研究とは違いCKCで行われていることで、実際にスポーツに近いトレーニングでの研究になります。

この研究の結論でも言われている通り、等速性のエクセントリックトレーニングであってものOKCよりもCKCの方がジャンプやスプリントに効果的であることが予測されます。

ここからも分かる通り、エクセントリックのトレーニングは筋力、筋パワーの向上にも効果的であることが考えられます。

まとめ

  • 1RM以上の負荷でのエキセントリックのトレーニングは2週間の間に筋力、可動域の低下が見られることが考えられる。
  • 等張性と等速性のエキセントリックトレーニングを比較した場合に等張性でのトレーニングの方が神経筋の刺激が大きく、より効果的であると考えられる。
  • 等速性および Dynamic Constant External Resistanceのエキセントリックトレーニングの比較で、ほぼ同様のトレーニング効果が見られると考えられる。
  • コンセントリックとエキセントリックの等速性トレーニングにおいて、トレーニング直後の筋の変化はエキセントリックの方がより大きいことから、筋力増強にはエキセントリックを取り入れると、より効果的であると考えられる。
  • エクセントリックな等速性トレーニングにおいて、OKCよりもCKCの方がよりスポーツに近い能力をこうお嬢することができることが考えられる。

以上のことから、筋収縮の種類の違いによって違った結果が生まれたことがわかりました。

これはよく言われていることでもあるので、そこまで新しいものではなかったかもしれませんが、このような研究を知ることでさらに深い考察ができるのではないでしょうか。

引用文献

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» 内容Guilhem, G., Cornu, C., Maffiuletti, N.A. and Guével, A. (2013). Neuromuscular adaptations to isoload versus isokinetic eccentric resistance training. Med Sci Sports Exerc. 45(2), 326-535.

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