トレーナーがスポーツ現場で求められること【整形外科的テスト】

PHYSIO WESTERN

こんにちは、ヒデです。

オランダでスポーツ現場で働き始めてから、フィジオセラピストとして監督や選手から現場で求められることというのがいくつかあります。その内の一つとして、選手が怪我をした時の状態の把握するための整形外科的テストの知識や技術があります。

今回は、この整形外科的テストがなぜ現場で求められるのかということをフィジオとして働いた経験から書いていきたいと思います。

 

目次

  1. スポーツトレーナーとして現場で求められること
    1-1 整形外科的テストでおおよその怪我の状態を把握する
    1-2 怪我の状態を監督と選手に伝え、プレー続行できるかどうかを相談する
  2. 整形外科的テストを使いこなすには
    2-1 解剖学と運動学の知識をつける
    2-2 整形外科的テストの知識をつける(感度・特異度)
    2-3 経験をたくさん積む
  3. まとめ

 

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1 スポーツトレーナーとして現場で求められること


自分の話になりますが、オランダに来た当初にオランダサッカーのアマチュアトップチームに関わって仕事し始めました。主に、練習前と後の治療、練習中や試合中に怪我した時の状態把握や応急処置などを行なっていました。

また、オランダの柔道ナショナルチームでも3年間働いてまして、同じように選手のケアをしていました。これらの経験から、スポーツ現場での自分の役割として強く感じた内の一つが、選手が怪我をした時の怪我の状態把握をして、監督や選手に伝えて試合を続行するかどうかを相談して決めることでした。

オランダでは、スポーツ現場にドクターがいないことも多く、選手が怪我をした時のプレーや練習を続行できるかどうかの判断をフィジオがやることが多いです。もちろん、現場にドクターがいる場合は、ドクターと連携を取り、その判断をしていきます。

 

1-1 整形外科的テストでおおよその怪我の状態を把握する

スポーツ現場ではフィジオ(トレーナー)として、選手の怪我が筋の損傷なのか、靱帯なのか、骨折しているのかという判断を求められます。また、その損傷が少しなのかそれともひどいのかということによっても、テーピングを巻いてプレーを続行させたりする判断材料にもなるので、とても重要になります。

当時、働き始めの頃はスポーツ現場での経験がほとんどなく怪我の状態を把握するための整形外科的テストをうまくできなかった経験を今でも思い出します。実際に日本の理学療法士の学校では整形外科的テストを知識としては学びますが、臨床としての実技はほとんどなかった記憶があります。そのためフィジオの場合、養成校によって違いはありますがスポーツ現場に出て学ぶことがとても重要だと思います。オランダの場合は養成校に通ってなかったため実際の確かなことは言えませんが、スポーツ系に強い学校でしっかりと整形外科的テストを知識・臨床経験として学んでいる印象があります。というのも現場に出ているオランダのフィジオの人たちの整形外科的テストのレベルが高いように思うからです。

話は少し脱線しましたが、整形外科的テストの知識や技術を高めることで怪我の状態をできる限り明確に把握することができるようになります。

 

1-2 怪我の状態を監督と選手に伝え、プレー続行できるかどうかを相談する

怪我の状態を監督や選手に伝えるというのはとても大切なことだと考えています。まずはその怪我をした選手がプレーをまたすぐできるのかという判断を監督と選手と一緒に相談します。

オランダのフィジオとしては、怪我の診断をドクターなしでもしても良いというのがあるので、ドクターが現場にいればドクターが診断しますが、いなければフィジオが診断して判断することがあります。

このことが現場では一番重要なことで、その次には復帰の時期です。監督や怪我をした選手は怪我がどのくらいで治るのか、手術をしなければならないのかなど、今後いつまた復帰できるのかというのが今後のチームの状況や選手生命に関わってくるので、おおよその復帰時期というのも伝えなければなりません。これはほとんどの場合、画像診断をドクターがするまでは、単なる予想の範囲での復帰期間を伝えることがほとんどです。これはドクターだけではなく、フィジオもその一人です。

個人的に面白いと思っているのですが、ベルギーでもサッカチームで働いたことがありその時の経験からですが、ベルギーのフィジオはこの現場での診断を全くと言っていいほどしません、というよりもできません。これは医療制度に関わっていることでもあり、ベルギーの場合は日本と同じもしくはそれ以上にドクターの権限が強い印象にあります。そのためフィジオとしてそのような診断を選手、監督に伝えることはドクターがよく思わないし、制度的にもよくありません。

オランダの場合は、フィジオは制度上ドクターと同じくらいの権限を一応持っているため、先ほどお伝えしたように診断をすることができます。国によって制度が違うため、他の国で働く場合はまずはその国のやり方や制度を理解することが必要です。

 

2 整形外科的テストを使いこなすには


整形外科的テストを正確に行っていくには、解剖学や運動学の知識や整形外科的テスト自体の知識を身につける必要があります。それがあった状態で、現場に出て多くの症例を経験するしかありません。

 

2-1 解剖学と運動学の知識をつける

これはどうしてかというと、整形外科的テストでは体の構造と動きを理解した上で、体にストレスを徒手抵抗でかけるテストが多いからです。そのため、筋肉や靱帯、骨の位置が正確に触診できなかったり、正常な関節の動きがわかってないと整形外科的テストも正確に行うことができません。
これは当たり前のことではありますが、フィジオの学校を卒業してからフィジオとしての生涯を終えるまで必要な知識や技術になります。

 

2-2 整形外科的テストの知識をつける(感度・特異度)

整形外科的テストには、筋肉や靱帯、骨の損傷を診断するテストが主にあります。それらのテストの実施の仕方を覚えることが大切です。
そして、テストごとにそのテストが信頼できるかどうかの”感度”と”特異度”というものがあります。ここではトレーナーとしてあまりよくわからないという人もいると思うのでこの”感度”と”特異度”について少し解説していきます。

感度

これはパーセンテージでよく表記されますが、感度の計算式として

ポジティブと診断された数
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ポジティブと診断された数+間違ってネガティブと診断された数

で計算されます。

ある疾患を持つ人のうち、検査で陽性と正しく判断される割合を言います。感度が高いということは、「陽性の者を陽性と正しく判定する可能性が高い」ということになります。(日本理学療法士学会)

特異度

特異度の計算式は

ネガティブと診断された数
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ネガティブと診断された数+間違ってポジティブと診断された数

特異度が高いということは、「陰性の者を陰性と正しく判定する可能性が高い」ということになります。(日本理学療法士学会)

感度と特異度が高い検査法を使うことで、より正確で診断ミスをできるかぎりなくすことができます。

 

2-3 経験をたくさん積む

知識があった状態で初めて、実践でき経験を積むことができます。私の経験でもこの整形外科的テストで診断を誤ったことがあります。これは経験を積まないとわからないことでもあるので、トライすることがとても重要です。

まずは自分の手の感覚で、大体の診断予想をつけて、実際にドクターが画像で診断をしてくれるので、初めてそこで答え合わせをすることができます。正直なところ画像で見ない限り、正確な診断はできるわけではないので選手としても画像を撮ってもらうことが一番大事だとは思います。たまに、画像を取らずに徒手だけで判断するドクターやフィジオもいて、実際に軽く思っていた怪我がなかなか治らず後々画像で確認してみるともっとひどかったというケースもあったりします。

もちろん、100パーセント自信を持っての判断であれば問題ないですが、少しでも迷ったらドクターに相談することがとても重要です。また画像診断が100パーセント信頼できるものでもないケースもありますが、画像でチェックしないよりかはした方が怪我の状態の信憑性は増すと一般的には考えられています。

 

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まとめ


現在、フィジオとしてオランダで5年、ベルギーで1年を働いてきました。残念ながらまだ日本ではスポーツ現場での経験は、単発で数回チームに帯同したことしかありません。そのため、日本のスポーツ現場の現状をはっきりとは理解しているわけではありませんので、今まで述べてきたことはオランダ、ベルギーで経験したことからの個人的な意見になります。

オランダやベルギー、そして他のヨーロッパの国では、日本人の鍼灸師さんやマッサーの人、フィジオなどが活躍していることを行く耳にします。その人それぞれまた違った見方もあると思いますし、今回書いた内容と違った意見を持っている人もいるかもしれません。

一フィジオの経験として、今後、スポーツ現場に出て働いてみたいという人や海外に出て働きたいと考えている人の参考に参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。