【研究レビュー 6】筋力増強のためのサスペンショントレーニング 2

LITERATURE PHYSIO

こんにちは、ヒデです。

前回の【研究レビュー 5】筋力増強のためのサスペンショントレーニング 1では、サスペンション器具の種類やエクササイズの種類の違いによるトレーニング効果の比較を見てきました。

そのことを踏まえて、今回はさらにサスペンショントレーニングと従来のトレーニングを比較している2つの論文1つのレビューを用いて、みていきます。

目次

  • 体幹の筋力とシンクロナイズドスイミング:若い女性アスリートのTRX®サスペンショントレーニングの研究
  • 散手(中国ボクシング)における体幹筋力のためのサスペンショントレーニングの改善の研究
  • サスペンショントレーニングによる筋活動のシステマティック研究レビュー
  • まとめ

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体幹の筋力とシンクロナイズドスイミング:若い女性アスリートのTRX®サスペンショントレーニングの研究

【目的】
シンクロナイズドスイミングの技術的な動作は筋力と安定性を必要としますが、多くのスイマーはこれを難しいと感じます。そのため、TRX®サスペンショントレーニングの効果を調査した。
【方法】
TRXによるサスペンショントレーニングを週2回(1セッション15分間)を6か月間(Dryland exercises)行うグループとコントロールグループで比較した。若いシンクロナイズドスイマー(約10歳)で構成された。圧力バイオフィードバック機器を使用して、介入前後での腹斜筋と腹横筋の筋力を評価するとともに、マクギルテストによる筋持久力の評価をした。(sit-up, back extension and side bridge positionの評価)
【結果】
これらのアスリートで研究された筋の筋力は改善し、このサスペンションエクササイズが有効であることを示した。
【結論】
これらの改善は胸腰筋膜の緊張、腹腔内圧および椎骨周囲筋の活動の結果であった。

この研究ではサスペンション器具の使用と使用なしでの同じトレーニングの比較であり、腹斜筋と腹横筋の筋力の改善にはサスペンションを使用した方が効果があることを明らかにしています。

これらの筋の活動は、腰部と胴全体の安定化に関与するためにとても重要です。これにより、腹筋部全体の抵抗力が高まり、トレーニング時の腰部の負担を減らしてくれます。

 

散手(カンフーに由来する中国の武道の一種)における体幹筋力のためのサスペンショントレーニングの改善の研究

【目的】
サスペンショントレーニングと従来のトレーニングの両方が散手アスリートの体幹筋の筋力を改善できるかどうかを調査し、散手アスリートの体幹部の筋パワー(筋力発達の速度)に対するサスペンショントレーニングの効果を調査すること。
【方法】
上海体育大学競技スポーツ学部の散手選手12名は、実験群(EG)と対照群(CG)にランダムに割り当てれた。EGとCGは、週に3回、サスペンショントレーニングと従来の筋力トレーニングで40分間定期的にトレーニングされた(合計10週間)。
【結果】
実験グループと従来のトレーニンググループの両方で体幹部の筋力の改善が見られましたが、サスペンショントレーニングは体幹部の屈筋と伸展筋の爆発的な速い動きに対してより効果的だった。
【結論】
サスペンショントレーニングが体幹筋力を高めるのに最適なツールであることを示し、特に体幹部の筋パワーの改善にこのエクササイズが機能的であると強調した。

この研究ではトレーニング期間後の最大筋力の違いは見られなかったが、スピードの要素が入った速い動きでの筋の出力では、このサスペンショントレーニングの有効性を示しています。

スポーツ動作において、この速い動きでの筋出力は必要であるためスポーツ選手にこのサスペンショントレーニングが有効であることがわかります。

 

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サスペンショントレーニングによる筋活動のシステマティック研究レビュー

最後に、ここではAguilera-Castells, Busca, Fort-Vanmeerhaeghe, Montalvo and Peña (2018)らが実施したレビューで、従来のトレーニングとサスペンショントレーニングを比較した研究を分析しています。

身体活動が活発な集団を対象とした研究のみが含まれており、筋電図信号を介して筋肉が分析されたものだけをレビューしています。

また

・push-ups
・inverted row
・prone bridge position
・hamstring curl

の分析した研究を比較しています。

レビューの結果として、サスペンショントレーニングはさまざまな研究でほとんどの筋の活動が従来のトレーニングと比べ高くなっていることがわかります。

そしてトレーニングの目的やそれぞれのスポーツの必要な要素によって異なるため、従来のトレーニングとサスペンショントレーニングを両方行うことでスポーツパフォーマンスの向上を達成することを考慮することが大切であると結論づけています。

 

まとめ


上記で挙げた2つの研究、そして文献レビューのどれからも従来のトレーニングよりもサスペンショントレーニンングの方が、体幹部の筋肉に対するトレーニング効果が高いことわかります。

レビューでも言われている通り、従来のトレーニングにサスペンショントレーニングを組み込むことでより体幹部に刺激を入れたトレーニングプログラムを組むことが可能になります。

これらのことを知っているだけでもスポーツ選手のパフォーマンスの向上に貢献できるかもしれないのでとても貴重な研究であると個人的には思います。

今回は以上で終わります。

引用文献

Tinto, A., Campanella, M. and Fasano, M. (2017). Core strengthening and synchronized swimming: TRX+ suspension training in young female athletes. J Sports Med Phys Fitness. S7(6),744-751.

Ma, H., Sun, W., Lu, A., Ma, P. and 3iang, c. (2017). The improvement of suspension training for trunk muscle power in Sanda athletes. Exerc Sci Fit. US(2), 81-88.

Aguilera-Castells, 3., Busca, B., Fort-Vanmeerhaeghe, A., Montalvo, A.M. and Pefia, 3. (2018). Muscle activation in suspension training: a systematic review. Sports Biomech, 14 1-21.