【足関節】整形外科的テストのまとめ

PHYSIO WESTERN

こんにちは、ヒデです。

スポーツ現場に関わるようになって、最初に苦労したことがこの整形外科テストによる急性期の診断でした。

怪我した選手がプレーを続行していいのか、それとも怪我のためプレーをやめたほうがいいのかと言う判断がドクターのいない現場ではトレーナーがしなければならないことがあります。

もちろん監督やコーチ、そして選手が最終的な判断をすることが多いですが、トレーナーとして科学的根拠のもとで、監督やコーチ、選手にアドバイスすることが非常に大切になっていきます。

その選手の選手生命まで関わることでもあるとは思うので、この判断ができるようにしっかり整形外科的テストを実行でき、怪我をしているところは、筋肉なのか靭帯なのか、また骨折しているのかなどを予想し判断できるようになることがとても重要です。

今回は、オランダの理学療法士がよく使う足関節の整形外科的テストを紹介していきます。

目次

  1. Syndesmosis Injury/ high ankle sprain(複合的な重度の靭帯損傷)
    ・Fibular Translation Test
    ・External Rotation Stress Test
    ・Cotton Test
    ・Squeeze Test
  2. Rupture Tendon(腱断裂)
    ・Thompson’s Test
  3. Fracture(骨折)
    ・Ottawa Ankle Rules
  4. Rupture/Strain/laxity ligament(靭帯損傷)
    ・Anterior Drawer Test
    ・Talar Tilt Test
  5. まとめ

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Syndesmosis Injury/ high ankle sprain(複合的な重度の靭帯損傷)

Syndesmosis Injury (high ankle sprain) とはオランダの理学療法士の中では足関節の怪我をした時に必ずチェックされる怪我の一つです。損傷部位は脛腓骨の間の靱帯結合(前脛腓靱帯、後脛腓靱帯、下腿骨間膜)で、この怪我をすることで足関節の安定性が低下します。

詳しくはこちらのブログをお読みください。
»足関節の捻挫 -Syndesmosis Injury-

このSyndesmosis Injury (high ankle sprain)を判別する整形外科的テストが以下の4つテストになります。

Fibular Translation Test

感度:75%
特異度:88%

テスト方法

側臥位で横になってもらい、片方の手で下腿を固定し反対の手で外顆を前後に牽引ストレスをかけていきます。牽引した際に痛みが現れたり、健常側と比べて外顆が大きく牽引されればテストはポシティブになります。

»Fibular Translation Test動画

External Rotation Stress Test

感度:71%
特異度:63%

足部の外旋ストレスだけでテストを行われていたこともありますが、その場合テスト結果で間違いが多いという研究結果から、背屈を組み合わせたストレスのかけ方をするようになっています。これは怪我の機序と似ている動きになるため、テストの信頼性が高まるとされています。

テスト方法

座位で足部は床から離した状態で、足関節の背屈·外旋ストレスを加えていきます。Syndesmosisに関わる靭帯付近に痛みが発生した場合、テストはポジティブになります。

»External Rotation Stress Test動画

Cotton Test

感度:25%
特異度:指定なし

テスト方法

ベットの端に足を出してもらい、片方の手で下腿遠位を固定し、もう片方の手で外側に下腿と垂直にストレスをかけていきます。

この時に、Syndesmosisに関わる靭帯付近に痛みが発生、もしくは3~5ミリ以上の関節の緩み、そしてクリック音が聞こえたり感じたりした場合はテストはポジティブになります。

»Cotton Test動画

Squeeze Test

感度:30%
特異度:94%

テスト方法

ベット上で膝を90度に屈曲してもらい、両手で横から脛骨と腓骨を挟むように押していきます。下腿近位から遠位に向かって徐々に押していきます。遠位でより痛みが発生した場合は重度な怪我である(靭帯損傷もしくは骨折)可能性があると判断します。損傷した直後で患部が敏感になっている場合やコンパートメント症候群出ないことを先に除外しておく必要があります。

»Squeeze Test動画

Rupture Tendon(腱断裂)

Thompson’s Test

MRI検査を必要とせずにアキレス腱の断裂の鑑別をすることが可能です。

感度:96%
特異度:93%

テスト方法

背臥位で足部はベットの端の外に出るようにします。ふくらはぎを何度かつまみ、この時に足関節の底屈が起きるか観察します。ポジティブの場合は、アキレス腱が断裂しているため、足関節の底屈が起こりません。

»Thompson’s Test動画

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Fracture(骨折)

Ottawa Ankle Rules

怪我直後の急性期時に、スポーツ現場では骨折の有無をまず判断しなければなりません。そのためにOttawa Ankle Rulesという骨折かどうかを判断するためのテストがあります。このテストでネガティブになれば骨折である可能性が低いと判断できます。

感度:96.4-99.6%
特異度:26.3-47.9%

テスト方法

1:内·外顆から近位へ向かって6cmまでの脛骨·腓骨の横後方の部位に痛みがあるか指で押して触診する。
2:舟状骨と第5中側骨に痛みや緊張があるか指で押して触診する。
3:4歩、足を出して歩けるか確認する。

この3つのうち1つでもポジティブなテスト結果が出た場合は、25-50%の確率で骨折がある疑いがあるため、レントゲンで確認するべきだと考えます。

もし、この3つのテストがネガティブな場合は、ほぼ100%に近い確率で骨折がないと考えます。

 

»Ottawa Ankle Rules動画

Rupture/Strain/laxity ligament(靭帯損傷)

Anterior Drawer Test

・内反捻挫によって起こる距腿関節(足関節)の緩みと前距腓靭帯の損傷のテスト
・距腿関節(足関節)の慢性的な不安定性のテスト

2.3ミリ以上の不安定性

感度:74%
特異度:38%

3.7ミリ以上の不安定性

感度:83%
特異度:40%

前距腓靭帯の損傷

感度:96%
特異度:84%

以上のことから、慢性的な不安定性よりも前距腓靭帯の損傷の有無を判別するテストとして、研究結果から有効であると言われています。

テスト方法

背臥位で膝を軽度屈曲してもらい、足関節の底屈を約10~15度の位置で、片方の手で踵を持ち反対の手で脛骨の前面をおさえ、足部を前方にスライドさせます。スライドさせた時に健側よりも前方にズルのが大きい場合や前外側の足関節に凹みが見られる場合はポジティブとなります。

»Anterior Drawer Test動画

Talar Tilt Test

感度:50%
特異度:88%

テスト方法

足をぶら下げた状態で座ってもらいます。

前距腓靭帯をテストする場合は、足関節を最大底屈位にし、内返しの方向にストレスをかけます。

踵腓靭帯·三角靭帯をテストする場合は、足関節を中間位にし、内返しの方向·外返しの方向にストレスをかけます。

後距腓靭帯をテストする場合は、足関節を最大背屈位にし、内返しの方向にストレスをかけます。

痛みがある場合や健側と比較してギャップがある場合はポジティブとなります。

»Talar Tilt Test動画

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まとめ

以上が足関節に対する整形外科的テストになります。

スポーツ現場で働く際には、このような知識と実技の技術が必要になっていきます。

スポーツ現場に出たての頃は、テンパってしまって覚えていたことが忘れたり、失敗することもあるかもしれません。しかし、メゲずにやり続けていけば確実に能力は高くなっていくので、場数を踏んでみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

引用文献

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Magee, D. J. (2008). Orthopedic physical assessment. St. Louis, Mo: Saunders Elsevier.

Bachmann, L. M., Kolb, E., Koller, M. T., Steurer, J., & Riet, G. T. (2003). Accuracy of Ottawa ankle rules to exclude fractures of the ankle and mid-foot: systematic review. Bmj, 326(7386), 417.