#6 胸骨の意識が姿勢を変える【体幹を強くしたい人へ】

SPORT TRAINING

先日このようなツイートをしました。

上記のように体幹機能を高めるためには、6つの体の部位の操作・使い方・意識が存在します。

またその中でも『胸骨の意識』を高めることで本記事のタイトル通り、姿勢が変わり、コンタクトスポーツ場面において簡単にはあたり負けなかったり、コンタクトがないスポーツでも体を柔軟かつ力強く動かすことができるようになります。

本記事では、キレイな姿勢に体を変えたい方、そしてさらに体幹を強くしたりスムーズに体を動かせるようになりたい方向けに書かせていただきます。

股関節の捉えについて書いた記事もあるのでこちらもどうぞ!

目次

  1. 胸骨の意識が姿勢を変え、体幹を強くする
  2. 胸の構造
  3. 胸郭の柔軟性
    ・『反る、丸める』
    ・『縮める、伸ばす』
    ・『捻る』
  4. 体幹から力を伝える
    ・中心部から遠位部に力を伝える
    ・体幹を安定させて四肢を動かす
  5. 見る力
  6. まとめ

1 胸骨が姿勢を変え、体幹を強くする


胸骨については後ほど、”胸の構造”で詳しく解説していきます。胸骨の位置はちょうど胸の真ん中にあり、ここに意識を向けて上半身を動かせるようになると自分の姿勢を変えることができ、体幹も強くなっていきます。

胸骨に意識を向けるだけでそんな変化があるのと考える人もいると思います。なのでもう少し深く話していくと、胸骨に意識を向けることでそこを中心に上半身を動かすことができ、姿勢を自由に変えることができるようになります。しかし、胸骨への意識が全くないと胸郭や肩甲骨の動きが制限され上半身が固まった状態になり、猫背のような見た目からしても悪い姿勢から抜け出せなくなってしまいます。この状態では、体幹の機能を最大限に使えずスポーツにおいても体幹が弱い状態で相手と戦うことになります。また、この胸骨の意識がなく動きが制限されると歩いたり、走ったり、ジャンプしたりと様々な動きをスムーズに行うための重心移動にも制限がかかってきます。

胸骨の意識といってもさっぱりわからないと思うので、意識の仕方について少し説明します。

指先で体の部位を触れることで、触れているという感覚が脳へ信号として伝わり、その部位を意識しやすくなります。そのため両方の指先を胸の真ん中、胸骨(硬い骨の上)においてもらい、そこの中心に胸を前後左右に動かしていきます。(『反る、丸める』『縮める、伸ばす』『捻る』の動き:後ほど解説

胸骨の意識が低くうまくできない人は腰を中心に動かす癖があるので、腰ではなく胸を中心動かす練習を繰り返しする必要があります。また、柔軟体操やヨガ、胴体力などで胸郭の柔軟性を高めるとより胸から動かしやすくなり、結果的に胸骨の意識を持ちやすくなります。

視覚情報として、体の解剖学も少し理解していると胸郭の意識も高めやすいので胸の構造ついて説明していきます。

2 胸の構造

胸の構造
胸と呼ばれる部分位は、胸郭、胸椎、そして胸骨があります。胸郭には12個の肋骨があり、胸椎と胸骨によって繋がっています。胸郭は通常丸びを帯びた形をしていて、内臓を保護しています。また、肺が広がるのを妨害しないために柔軟性があります。胸骨は上で鎖骨と、下ではみぞおちと呼ばれるところにある剣状突起と繋がっています。

本来この胸の構造は柔軟性が高いのが普通ですが、長時間の悪い姿勢ストレスなどで、固まっている人が多いです。この柔軟性の低下がさまざまな怪我の原因であったり、痛みやコリの原因であること多々あります。肋骨の間を押してもらうとほとんどの人は痛いと感じると思いますが、柔軟性がある人は押されても痛みを感じません。つまり、痛みを感じないことが本来の人間の姿であるということです。

3 胸郭の柔軟性

胸郭の柔軟性
この胸の動きは体の中でも意識しずらいこともあり、胸郭を柔らかく使えることができれば動きの質は向上してきます。胸郭の動きには主に3つあり、『反る、丸める』『縮める、伸ばす』『捻る』です。

『反る、丸める』

『反る、丸める』とは体を横から見たときに胸が前に反り、後ろに丸々動きを指します。前に反るときには少し上前方に、後ろに丸めるときに下後方に胸骨を持っていく意識をすると可動域はより広がります。この動きが大きくできるようになると、骨盤に対しての胸郭の前後の位置を自由に操れるので前後に対しての重心移動をスムーズに行うことができるようになります。ウサインボルトやカールルイスなどの有名なスプリンターはこの胸郭に前後の動きが走っている間に大きく動いていることが観察されます。

『縮める、伸ばす』

『縮める、伸ばす』の動きは体を正面から見たときに、片方の脇腹と横腹が縮み、反対側が伸びる動きを指します。この動きの柔軟性は、特に肩の可動域や骨盤の安定性に関与しています。また、この動きがスムーズにできるようになると、股関節の外側にある筋肉(大腿筋膜張筋など)に依存することなく動作を行えるため、股関節の柔軟性も上がり足を自由に使えるようにもなります。

『捻る』

『捻る』動きは頭上から体を見たときに両肩が回転する動きを指します。この動きを大きく動かせるようになると肩や首のコリが減っていき、さらに胸も反りやすくなります。また、スポーツ動作において捻る動きは投げる動作・蹴る動作を力強く効率的に動かすために重要な要素になります。

4 体幹から力を伝える

力を伝える

中心部から遠位部に力を伝える

上記で胸郭の柔軟性の重要性を伝えました。この胸郭の柔軟性があることで体幹部から力を生み出し、四肢へと伝えることが可能になります。無駄の動きがない動作は、胸郭を含めた体幹の動きに連動して四肢の動きが作られます。

例えば、胸郭を丸める動きであれば足を前にあげる動き、反る動きであれば足を後ろにあげる動きのような動きの連動をしていきます。もし、胸郭が十分に動くことができなければ、足を動かしたときに股関節の力だけであげようとしてしまい力が十分に発揮できません。

また、股関節だけで頑張ろうとして、筋肉を痛めたり張りを感じるようになったりすることも起こります。体幹から力を出す動作をするときにはこの胸郭に柔軟性、そして操作で四肢までの連動をつくることができるのです。

体幹を安定させて四肢を動かす

上記で話した中心部から遠位部に力を伝える話では中心部から動いた力を利用して四肢を動かすと説明しました。もう一つこの動きと違った胸郭を安定させた状態で四肢を動かす使い方もあります。

これはよく体幹トレーニングでやられるプランクの姿勢で四肢を動かすことをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。胸郭部を含めた体幹部がしっかりと安定することにより、体の中心軸が固定され四肢が楽に動かしやすくなります。

この時にも胸郭の柔軟性は必要で骨盤に対して胸郭の最良のポジションを取らなければ体幹は安定しません。そのため胸郭はどこのポジションでもしっかりと固定できるような強さと柔らかさがあると機能的に働くことができます。

5 見る力

見る力
サッカーでは、見ることというのが非常に大事にされています。見えないものからは人は恐怖を感じ、100パーセント力を発揮することができません。そこで見ることに関して、胸骨の意識というものが重要になります。

胸骨の意識が高まり、胸郭を自由に操ることができれば、自然と胸が張ってきて視野が広がります。また、肩や首の緊張がない状態で目を動かすことができるので自然と目からの情報収集能力も高まってきます。

実際に胸椎の捻れる動きが広がることで首の捻れる動きがより広がることも選手や一般の方の治療やトレーニングで日常茶飯事に見られます。そのためここではサッカーを例に立ててお話ししましたが、スポーツにおいての見る力の向上に胸骨の意識も関係してきます。

6 まとめ

  • 胸骨の意識が高めると姿勢を自由に変えることができるようになる。
  • 胸骨の意識を高めるには胸郭の柔軟性の向上を促す。
  • 胸とは胸骨・肋骨・胸椎から構成されて、本来であれば柔軟性の高い部位。
  • 胸郭の動きには主に3つあり、『反る、丸める』『縮める、伸ばす』『捻る』で、それぞれ重要な役割があります。
  • 胸郭の柔軟性は四肢を動かす原動力であり、四肢を楽に動かすために大切です。
  • 胸を自由に動かせることは、視野を広げることにつながります。

ここまで読んでいただき、胸骨の意識、そして胸郭の柔軟性が体を動かすために重要であることがわかっていただけたでしょうか。

胸骨の意識、そして胸郭の柔軟性の向上は、体幹部をより効果的に使えるようになりスポーツパフォーマンスを高める要素の一つになります。

読んでいただきありがとうございました。

参考書籍

スーパーボディを読む 改訂版 ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」(著)伊藤昇